「俺は、咲雪はそんな可哀想な生まれ方をしてしまったから、あいつには他の誰よりも幸せになる権利があると思うんだ。だから、俺はあいつを幸せにしてやりたい。
だけど、兄貴の俺にはあいつのためにしてやれることに限りがあるんだ。だから、俺はずっと前から決めていた」
「何を?」
「俺の目から見て、本当に咲雪を幸せにしてくれそうな信頼できる奴が現れたら、そいつには今の話をして、俺には出来ない咲雪の幸せを託そうって」
ああ、やっと繋がった。
そういうつもりだったのか。
圭祐は俺なら咲雪のことを本当に幸せにしてくれると信じてこの秘密を俺に話してくれたのか。
光栄なことだと思う。
でも、俺には自信がない。
「俺が、本当に咲雪を幸せに出来ると思うか?」
「俺はお前を信じてる」
即答なことが嬉しかった。
そして、圭祐は声のトーンを落として妙に凄みのある声で続ける。


