どこかで足の指でもぶつけたっぽい。 廊下でお兄ちゃんが「痛ってー!」と小さく叫ぶ声が聞こえてきた。 そしてすぐに足音が階段を駆け降りていく。 あたしは、お兄ちゃんがびっくりするほどの自分の顔を一目見ようと思って、机の上の手鏡を取る為に立ち上がった。 もしかして、今のあたしの顔、ゾンビ状態とか? 「あれ……?」 その瞬間、頭がふわーとして、目の前が真っ白になって……。