「はい。可能性が低くなっただけで、不適合と決まったわけではありません」


「それなら、俺の骨髄を咲雪に移植できるかどうか調べてもらえませんか?」



それを聞いた父は俺の肩にそっと手を置いた。

その手の温もりが俺の決定を肯定してくれていることを示していた。


目配せをして堤医師に言う父と母。



「私と、妻のも調べてください」


「お願いします」


堤医師の口元に優しい笑みが広がっていく。

そして彼はしっかりと頷いた。



「わかりました。咲雪さんは本当に家族に恵まれていると、私は心から思いますよ」



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