そんなことがあるわけがない。
そんなことがあっていいわけがない。
俺も、その最悪の可能性が外れることを強く願った。
が、堤医師は、非情とも思える静かな声できっぱりと言い切った。
「慢性の骨髄性白血病に間違いありません」
「……っ‼‼」
言われてしまった。
一瞬頭が真っ白になって、理解力に靄が掛かってしまったかのように何も考えられなくなる。
いや、理解することを本能的に拒否したのか……。
父ががっくりと肩を落とし、母は表情の抜け落ちた顔で堤医師に何かを言っているようだったが頭に入ってこない。
……ゆっくりと理解力が戻ってくる。
そして、言われた意味を、その重大さをはっきりと理解した。
真っ先に考えたのは咲雪のことだ。
「……さ、咲雪は……妹はこのことを知っているんですか?」
俺が尋ねると、堤医師はゆっくりと首を横に振った。


