未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。


「新嶋先輩から咲雪さんの血液検査を依頼されました内科および病理学担当の堤(ツツミ)です。
先ほど、咲雪さんの血液を採取して検査しましたがその結果が出たのでお知らせします」



堤医師は全く感情のこもらない声で淡々と続ける。



「咲雪さんの血液を電子顕微鏡を使って調べましたところ、白血球値が通常の人よりかなり高いことがわかりました。それとともに骨髄穿刺(こつずいせんし)で採取した髄液内にフィラデルフィア染色体と呼ばれる染色体異常が見つかりました。これはある病気の特徴の一つです」



専門用語が次から次に出てくる。



白血球?

骨髄穿刺?

フィラデルフィア染色体?



俺はそれを聞いて、昨晩母が新嶋先生から聞いたという最悪の可能性を思い出していた。



「先生……もしかして、咲雪の病気とは……?」



俺と同じ事を考えたのだろう。

父が搾り出すような声でそう言いかけて、打ち消すように首を横に振った。