6限目の終了のチャイムの音で、俺は目を覚ました。

どうやらすっかり爆睡してしまったようだ。



「今日はここまで。今日の部分は絶対にテストに出すからなー。寝てた奴は知らんぞ」


え!?

 
先生のお優しい言葉に眠気も吹っ飛んでしまった。


 
やばい。少しでもノートを取っておかないと……。

 
俺は焦ってシャーペンを握りなおし、黒板に書かれている内容を書き写そうとした。


……が、


「げっ!?」


なんてこった。


俺が枕にしていたノートは、汚い話だが自分のよだれでべとべとになっていた。



これじゃあ書き写すどころじゃない。

それに今日は病院にも行かなくちゃいけないし、電車の時間も迫っているし、どうしよう……。



困って辺りを見回すと、右斜め前の席の悠聖と目が合う。


悠聖は俺の状況を素早く把握し、笑いを堪えて口元をヒクヒクさせながら言った。