あたしがプラトニックな関係を望んでいると知っているから、デートの時も人目がない静かなところではなくにぎやかな所を選んでくれるし。


人があまりいないところに行くときは、大抵お兄ちゃん達を誘って二人きりにならないように気を遣ってくれる。



悠聖のそういうところをお父さんもお母さんも信頼してくれていて、悠聖がうちに来ても快く歓迎してくれる。


幼なじみってこともあると思うけど、それって結構すごいことだと思う。




「おーい、そこのお二人さん、ご飯よ」


お母さんが呼んでくれたのであたしたちは一旦話を終わりにして食事をすることにした。


悠聖が先に立ち上がり、あたしの方に手を差し出してくる。



「どうぞ、姫君」


「ありがと」



悠聖の手を握ると、悠聖がぐっと引っ張ってあたしを立たせてくれた。



悠聖のこういう優しさがあたしはすっごく好きなんだ。



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