起き上がろうとしたが、体がまるで鉛で出来ているかのように重く、いうことを聞いてくれない。
ああ、だるい……。
なんか、今日はすっごくだるい。こんなの初めて。
「うう~」
渾身の力を振り絞ってなんとかベッドの上に起きあがったけど、それでもう精一杯。
「……あたし、どうしちゃったんだろう?」
思わず呟いてしまった時、お兄ちゃんの少し苛立った声が階段の下から聞こえてきた。
「咲雪‼まだ寝てるのかー?すぐ起きろー!」
「起ぎだよー。すぐ、いぐがら」
なんか喉がいがらっぽいとは思ってたけど、すごく変な声になっていた。
うっわ。すっごい声。
そう思った直後、階段をトントンと上がってくる足音が。
「咲雪、大丈夫か?入るぞ」
そう言ってお兄ちゃんが部屋に入ってきた。