未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。


「咲雪、頼むから……俺の一生のお願いだから死なないでくれよ!俺を置いて自分だけ先に逝かないでくれよ‼」


「……ごめん、なさい……頑張れな、くて」


咲雪が震える声でそう言って、顔を上げる。


咲雪の手が手探りで俺の頬に触れ、その目が静かに閉じられた。



「……悠聖、キスして?……優しくよ……」


聞こえるか聞こえないかの瀬戸際ぐらいのささやき声。



俺は、壊れ物を扱うかのようにそっと、咲雪の唇に自分の唇を合わせた。



咲雪の唇はかさかさに乾いて荒れていて、少し血の味がする。
 

俺は、この最初で最後のキスの感触を、咲雪の表情を……咲雪の全てを、心にしっかりと焼き付けた。



一生、咲雪のことを忘れないでいるために。



咲雪の唇が、あ、い、し、て、る、と動いたが声にはならなかった。