「……お兄ちゃん、あたしの……大好きなお兄ちゃん……ゲホッゲホッ。
ずっと、あたしを大事に、してくれて……ありがとう。……もう、……ゲホッゲホッ、お兄ちゃんに会えないのが……すごく、悲しい。だから、せめて……あたしの分も……ゲホッゲホッ、長生きして、ね?」
「……なんで、なんで俺が!
俺の、大切なたった一人の妹が死んでいくのを見なくちゃいけないんだよ!?
咲雪、死ぬなよ……まだ、死ぬなんて早いよ‼」
圭祐は泣きながら咲雪に言ったが、咲雪は一言「ごめんね」と囁いた。
咲雪の呼吸が、だんだん荒く、不規則になってくる。
咲雪が、俺の方を向き直る。
しかし、その瞳には既に俺の姿は映っていなかった。
「……悠聖……目の前が、真っ暗なの……あなたの顔が、見えな、い…」
悲しそうにそう言った咲雪の顔にはもう死の兆候が現れていた。
俺は計器類に気を付けながら、咲雪の体をそっと起こして胸に抱き寄せた。


