未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。


堤先生は、唇を噛んだ。

皮が破れて血が出ていることにすら気付いていないようだ。


彼も、咲雪が元気になると心から信じ、願っていたのだ。


それがわかってしまったから、俺は喉もとまで出かかっていた、彼を罵る言葉を感情に任せて解き放つことができなかった。





「……咲雪に、会わせてください。お願いします……」
 

俺がやっと絞り出した声で頼むと、堤先生は頷き、俺達をICUの中に入れてくれた。



そこには様々な医療機器があり、それらに囲まれているベッドに咲雪が横たわっていた。


体中に点滴のチューブや計器類のコードなどが取り付けられている。



「……咲雪」


俺が呼びかけると、咲雪はそっと目を開けた。

そして、俺の方を向いて微かに微笑みを浮かべる。


ああ、なんでそんな笑顔を出来るんだよ……。



「……悠聖、あたしの……そばに、来て……」