三人とも、髪は乱れ、雪まみれになって荒い息をついている。



「……ハアハア……さ、さゆ……きは!?」

 
圭祐が掴みかからんばかりの勢いで俺に詰め寄る。
俺は、無言でICUを顎でしゃくった。



圭祐は、ICUの閉じられた扉をしばらく睨んでいたが、へなへなとその場に座り込んでしまった。



「……畜生‼」


「咲雪、さっきまであんなに元気だったのに……なんで!?

なんでなの!?」
 

顔を覆ってわっと泣き出す茉優ちゃん。


俺も全く同じ気持ちだった。

絶対に、絶対に良くなるって信じていたのに……。



最近の咲雪の元気は、消える前のロウソクが一瞬だけ激しく燃えるのと同じだったのか!?
 

……咲雪は、死ぬのか?


唐突に浮かんだ恐ろしい考えを、俺は頭を振って追い払った。


嫌だ。そんなの絶対に嫌だ。