その声は、今までの彼女の様子とは全然違っていて、すごく不安げで涙まじりだ。
ああ、やっぱり、彼女はすごく寂しかったんだ。
こんなに寂しいのなら、そんなに無理しなくていいのに……。
俺は、彼女の方に向き直って彼女の体をそっと抱きしめた。
彼女の体は驚くほど冷たく、小刻みに震え続けている。
「ごめん。俺もちょっとふざけてた。
……本気で帰るつもりじゃなかったんだ」
「本当は、すごく寂しくて……すごく怖くて、圭祐君がきてくれたのが嬉しくて」
ああ、なんでだろう。
彼女のことがすごく愛しい。
その時、俺の腕の中で震えていたのはいつもの気丈な姉御肌の央子ではなくて。
迫り来る不安に押しつぶされそうになって震えている、ありのままの姿の央子だった。
央子も、一人の繊細な女の子だってことを今更ながらに意識した。
その時俺は、央子がすごく弱く儚く思えて、ただ、彼女を守ってやりたくて……。


