「圭祐、たぶんまだ起きてるから行ってきたら?」
え?顔に出てたかな。
「央子は、きっと喜ぶから。行ってこいよ」
「……わかった。ちょっと会ってくる」
俺は咲雪の病室を出て、1階下の央子の部屋に向かった。
央子の病室はたしか602号室だ。
談話室の前を素通りして602号室に向かった。
そして、602号室のプレートに央子の名前があるのを確認してからドアをノックした。
しかし、中からは物音一つしない。
もしかして、もう寝てるのか?
もう一度だけノックしてみようと手を伸ばした瞬間、
「やっぱり圭祐君?どうしたの?」
「うゎ‼」
いきなり不意打ち的に声をかけられて、一瞬心臓が口から半分飛び出しかけた。
慌てて振り向くと、高校のジャージの上下とその上から紺のカーディガンを羽織った央子が吹き出しそうな顔で立っている。
うわ、最悪。聞かれたな。


