未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。


俺が思わず尋ねると、咲雪は微かに頷いた。


「大丈夫。心配しなくてもきっとうまくいくよ」


ストレッチャーの反対側から圭祐がそう言って咲雪を励まし、咲雪の目が和んだ。


もしかしたら笑おうとしたのかもしれない。
しかし、俺が握っている咲雪の手はずっと震え続けている。



「怖いか?」


俺が聞くと、咲雪の目が微かに揺らぎ、彼女は小さく頷く。



「……すごく、怖い」


マスク越しのくぐもった、注意しないと聞き取れないような咲雪の声。

その声が、言葉以上に彼女の感じている恐怖を強く表していた。



そんな咲雪の恐怖を少しでも和らげてやりたいという気持ちに駆られ、俺は咲雪の手を握る自分の手に力を込めた。



「俺も怖いよ。……だけど、絶対にうまくいくって信じてるから!」


「あたしも、信じてる。あたし、頑張るから」


咲雪が一言一言を区切りながらゆっくりと言う。