央子ネエに見つめられて、あたしは赤面して頷いた。
あたしが入院した時に悠聖と別れようとした時のことだ。
あの時は、本当にそれが悠聖のためになるって確信してたけど、結局それは間違いだった。
「……あたしは、奈加子のことを心から心配してたのに、奈加子はあたしの顔を見るたびに癪に障ることばかり言ってた。
だから、ある日とうとうキレて『そんな、人を傷つけることばかり言うあんたなんかだいっ嫌い‼』って言っちゃったの」
「…………」
あたしは思わず息を呑んだ。
央子ネエの端正な横顔を涙が伝う。
「……そしたら、その日に奈加子は死んじゃった。
知らせを聞いて病院にあたしが駆けつけた時は、もう冷たくなってた。あたしの言葉が奈加子傷つけて、それで奈加子は絶望して死んだのよ。
あの時の奈加子の顔はまだ忘れられない。
顔に掛けられてた白い布を外したら、奈加子は、すごく悲しそうな顔で笑ってたの。
奈加子は、自分の目的は果たしたけど、そのかわりに絶望して死んでいったのよ。
その時、あたしはやっと奈加子が何であんな嫌な子を演じてたのかはっきりわかった。
でも、奈加子の行動はかえってあたしに辛い思いをさせた。
だって、あたしがあの時キレたりしなかったら……とか、奈加子の本当の気持ちに早く気付いていれば……とかその後はずっと後悔の連続だったから」


