「依頼人からの催促かなぁ?嫌だなぁ、誰か出てよー」
「いいよ、いいよ。俺が取るから」
怯えたように言う母に代わって、父が立ち上がりかけたのを俺が止める。
父は、今日はかなりアルコールが入っているからだ。
「依頼人だったら、上手く誤魔化しといてね」
「了解」と告げて廊下に出て電話をとった。
「……もしもしっ、緒方ですけど?」
てっきり母の仕事関係だと思っていたがそうではなかった。
『もしもし、緒方咲雪さんの御家族の方ですか?新嶋クリニックの新嶋です。覚えてるかな?』
なんだ。新嶋先生か。
「兄の圭祐ですけど」
『圭祐君かい』
「はい。どうも今日は妹が世話になったようで。それで、どうしました?」
声のトーンを落とす新嶋先生。
『実は今日、咲雪さんの血液を検査したんですが、その結果……』
「何かあったんですか!?」


