「本当よ。あたしの骨髄が咲雪に移植できそうなの。血液型が違うから一座不一致っていう条件だそうだけど」

 
そう言って、央子は最高の笑顔を浮かべた。

その央子の表情が、言葉が、ゆっくりと俺の心に染み込んでくる。


ずっと、咲雪の病気のことがわかってからずっと待ちわびていた言葉だ。


言われた意味を完全に理解した俺は、文字通り飛び上がって喜んだ。



どうしてあんなことができたんだろう。

あとで思い返してかなり恥ずかしい思いをしたのだが、嬉しさのあまり思わず央子を抱きしめることまでしてしまった。


央子はショックを受けて固まっている。