まさか、咲雪がこのことを知っていたなんて……。
どうして?一体いつから!?
心臓が胸を破って飛び出してきそうなほどに早鐘を打ち、俺は何回か咳き込んだ。
「咲雪……、お前、なんでその事を……?」
俺が呻くように尋ねると、咲雪は自嘲気味に笑って言った。
「立ち聞き。……ずっと前に、お父さんとお母さんが話してたのを聞いちゃったの」
しばらくしてから、俺はため息をついた。
「そうか、知っていたのか」
ずっと、本当のことを家族から隠されていたことを、咲雪はどう思っているんだろう?
傷ついたんだろうか。
「今までずっと隠しててごめんな」
咲雪は慌ててかぶりを振った。
「ええ!?なんでそこで謝るの!?」
「え、だって……」
「あたし、嬉しいんだよ。だって、本当のお父さんとお母さんのことは知らないけど、あたしには優しいお父さんとお母さんと、お兄ちゃんがいるんだもの」


