「お兄ちゃん」
「ん?」
「お兄ちゃんはずうっと前から、いつもこんな風にあたしを励ましてくれて、優しくしてくれたよね……今言わなかったらいつ言えるかわからないから……。
あたし、すごく嬉しかった。本当にありがとう」
咲雪はそう言ってから、照れたようにテヘッと笑った。
「俺はお前の兄貴なんだから当然だろ」
俺も照れ隠しにぶっきらぼうに答えたが、咲雪はゆっくりを首を横に振る。
「ううん。実の兄妹なのに仲の悪い人達って結構いるよ。
あたしのクラスメイトの話を聞いてると、お兄ちゃんと仲がいいって子はほとんどいないもん」
ん?
今一瞬、なんか引っかかったぞ。
続く咲雪の言葉でなにに引っかかったのか悟る。
「でも、お兄ちゃんは、本当の妹でもないあたしを、すごく大事にしてくれた」
「……っ‼」
俺は見えないハンマーで頭を殴られたようなショックを受けた。


