「……ね、お兄ちゃん……。もし、もしもあたしが………死んじゃったらどうする?」
その言葉を聞いた瞬間、全身の皮膚が粟立つような気がした。
咲雪の言葉が毒のように染み込んでくる。
このことは、俺がずっと努めて考えないように、考えないようにしてきたことだ。
俺は、動揺を隠すためにわざと苛立ったそぶりを見せて言い返した。
「次に、俺の前でそんなこと言ったらぶん殴るからな」
「…………」
咲雪は何の反応も示さない。
俺は、咲雪と目を合わさないようにしながら言った。
「……咲雪が死ぬかもしれないなんて、考えられないし、考えたくも無いよ。
……俺の大切な妹がこの世からいなくなるなんて、俺には耐えられないと思う。だから、そんなこと、もう二度と言うな。
そんなことよりも……咲雪が元気になって退院したら、何をするかとかもっと前向きなことを考えろよ」
これは紛れも無い俺の本心だ。


