そして、どんな時でも咲雪を励まし続けることが出来れば、いつか自分に自信を持てるようになるかもしれない。
強くなりたい。
咲雪の悲しみや苦しみを全て包み込んでやれるような強い男になりたいと、俺はその時心から思った。
「……まあ、なんにせよ早くドナーが見つかるといいよな」
重苦しい沈黙を破って俺がそう呟くと、咲雪は大きく頷いて同意した。
「……うん。あたしも早く元気になって退院したいな……。
退院したら、どこか遠くに行きたいな。もう、入院生活はうんざり」
「だろうな。……退院したら、また一人で外国に留学?」
ふと思いついて意地悪く尋ねると、一瞬の沈黙の後、今にも泣きそうな顔になる咲雪。
しまった。
今のは完璧にしまった。
「……その話はもうやめてよ」
咲雪の目は早くも涙ぐんでいる。
嫌なことを思い出させてしまったようだ。


