「……たぶんね、全然効果が無かったわけじゃないと思うの。たまたま目に見える効果はなかったけど、でも次の抗癌剤の時は今回よりずっといい結果が出ると思う。
だから、そんなに心配しないで」
思ったより積極的な咲雪の態度に正直驚いてしまった。
しかし、彼女の表情はかなり無理をしていることをはっきり示している。
咲雪は一生懸命、そうやって自分自身に言い聞かせている。
積極的な見方をしようと努力しているのだ。
なのに、俺のほうが悲観的な見方をして咲雪の不安を大きくしてしまったかもしれない。
本当なら、咲雪がどんなに絶望してても、俺だけは希望を捨てないで咲雪を励まし続けるべきなのに。
俺は馬鹿だ。
俺は自分の拳を握り締めて思いっきり自分の頭を殴った。
「……ってえ‼」
手と頭の両方に焼け付くような激痛が走る。
「な、何!?どうしたの!?」
おろおろしている咲雪。


