はい~!?


一瞬、何を言われたか理解出来なかった。

って、なんで目がマジなんですか?



「な、なんでよ!?どうやったらバージンが妊娠するのよ‼」



全く、失礼にも程がある。

お母さんはあたしをなんだと思ってるんだろう。



「あはは。うん、処女なら妊娠しないわね。あー、一瞬あせったわ‼この年でおばあちゃんっていうのもねー」



あたしだってこの年でおかあさんなんて考えられない。



お母さんがケタケタ笑った直後に、新嶋先生がカルテとその他数枚の書類を持って戻ってきた。



「どうも、お待たせしましたね。ちょっと書類を捜すのに手間取ってしまって……」



彼がそう言いながら椅子に座るのとほぼ同時に、診察室の隣の部屋から長江さんが顔を出した。



「咲雪さーん、検査用の血液を採取するからこっちの検査室に入ってくれる?」


「はぁい」



あたしはゆっくりと立ち上がって、検査室のほうに歩いて行った。


なんだか体がふわふわする。



あたしの後ろではお母さんと新嶋先生がまだ何か話していたが、あたしは別に気にしなかった。



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