俺はホッと胸を撫で下ろした。


「ああ。本当は俺も助けてもらいたいんだ。もう、どうしたらいいのかさっぱりわからないんだよ」


「わかった。でも、今は時間が無いから昼休みでもいい?」


「もちろん。ちょっとややこしくなってるから手短にって言われても困るんだ」


「ん、わかった。他の人に聞かれたくないなら屋上にでも行く?」


「できればその方がいいな。じゃ、よろしく」


「ええ」



央子は笑顔で頷いて教室の中に入っていく。


かなり心配していたのに、思っていたより簡単に仲直りすることが出来てちょっと拍子抜けしてしまった。



昨日の夜、央子に謝ろうと決意するまでのあの悶々とした時間は一体なんだったんだ。


この調子で咲雪や圭祐とも和解することが出来ればいいんだが……。



俺はまだ登校していない圭祐の机を見ながら小さくため息をついた。