こちらから一方的に電話を切った後、俺はどうしようもないほどの孤独感を感じた。

胸が痛い。


心臓の辺りに鋭いとげが何本も突き刺さっているみたいだ。



もう、俺には圭祐のことも咲雪のこともわからない。


二人とも、今日の学校まではいつも通りだった。

……それなのに、何で急にこんなに変わってしまったんだろう。


何でこんなにも簡単に友情も恋も壊れてしまうんだろう。



圭祐や咲雪にももちろん言い分はあるだろう。

でも、もうそんなことは俺にとってどうでもいい。



肝心なのはそこまでされて、それでも平気でいられるほど俺は立派な人間じゃないということだ。


……咲雪も圭祐も、大嫌いだ。




俺は圭祐と咲雪の番号を自分のスマホのメモリーから抹消した。


もう、これから先、電話をすることも無い。



でも、抹消しても自分の記憶の中にある二人の番号までは消すことは出来ない。


そして、二人との楽しい思い出も。