今まで培ってきた友情が水の泡になることも覚悟しなければならないだろう。
覚悟を決めて、これから話す嘘の内容を思い返しながら通話ボタンを押してスマホを耳に当てる。
「もしもし?」
『ああ、圭祐‼良かった、やっと通じた。
お前の家に行っても誰もいないし、さっきからずっと電話してたんだけど繋がらなかったから』
明らかにホッとした悠聖の声。
「あ、悪い。しばらく電源を切ってたからさ。ほら、じいちゃんが危ないって言ったろ?それで今まで病院にいたんだ」
『あ、そうか。ところで、咲雪は?そこにいるのか?』
「……いや、いない。ただ、咲雪はお前に謝っていた」
『……おい、どういうことだよ?咲雪は、どこに行ったんだよ!?
咲雪の電話もずっと繋がらないし、何を隠してるんだよ!?』
電話の向こうから、悠聖のかなり苛立った声が返ってくる。
そりゃあそうだろう。
俺は、大きくため息をついた。


