だけど、彼の表情を見て考えを変えた。
この、心優しいあたしの大事な人を絶対に悲しませたくない。
あたしには、悠聖を苦しませる権利はない。
病気はあくまでもあたし個人の問題だから。
この時あたしは、悠聖には病気のことを隠しておこうと心に決めた。
「うん。まだ少しだるいけど大丈夫だから、心配しないで」
そう答えると、悠聖は優しい笑顔で頷いた。
「わかった。でも良かったな、大したことなくて。まだ病み上がりなんだから無理はするなよ」
ホントは病み上がりじゃなくてこれからなんだけど。
「わかってる。だからもう行こ」
悠聖に嘘をついたことで罪悪感を覚えたあたしは、もうこの話を終わらせたくて悠聖を急かして歩き始める。
並んで歩く悠聖は、ちらっとあたしの足元を見て自分の歩幅を合わせてくれた。


