『優人...』
左の方に顔を傾けて言った。
返事がない。
あ......
左耳は聞こえなくなっちゃったんだった...
そうおもって、もう1度今度は右の方に顔を傾けて優人をよんだ。
『優人』
「ん?なに?」
そう答える優人。
なんだか、改めて実感した。
片耳の世界はこんなにも辛いものなんだろうな...と。
『ありがとね...』
そう呟いた。
「おう。家わかんねぇから案内してくれ。」
『わかった。凛は...どうする?』
校門まで、一緒に歩いてきた凛。
「あ...」
校門に来るまで一言も話さなかった凛
『一緒に途中まで帰る?』
そう尋ねると
「いいの?」
と言った。
『ダメっていう人いる?危ないもん』
あたしは、そう言ってニコリと笑った。
「ありがと、カナ。ごめんね、カナ」
ありがとう、そして、ごめんの両方を伝えてきた凛。
『いいえ!』

