そう思ってあたしは喋っている田代を無視して靴を履き替えた。
__コツンッ
上靴を取りだそうとして、手に当たったものがあった。
なにこれ…。
あたしは、靴箱にあった手紙を手に持った。
「お、これってもしやの、ラブレターってやつですか!うらやましーぜコノヤロー!」
『え?あ、うん。ちょっと田代うるさい。』
今どき靴箱にラブレター?って思ったけどとりあえずカバンにしまってあとで読むことにした。
「おい!俺をほってくなって!」
『もー!何回も言うけど何であんたと登校なんか…』
もう、いい疲れたしいーや。。。
教室につくまで田代とギャーギャー言い合いをしながら歩いていた。
その時、気づかなかった。
__ドンッ
『キャッ』
話していて気づかず、歩いていた一人の男の人に気づかなかった。
『あ、えと、ごめんなさい、ぶつかっちゃって…』
あたしが、素直に謝るとぶつかってしまった相手が顔を上げた。
わっ……。かっこいい…。
少し茶色がかった髪の毛にぱっちり2重。
ここまでかっこよかったらあたしのクラスまでも、有名になってるはずなのに…。
名前知らないなんて…。
その男の人は、小さく会釈をして歩いていった。
「なんだぁぁ。あいつ。遠山が謝ってもなんも言わなかったぜ?感じ悪っ」
あたしが
その男の人にみとれていたのに、田代の一言で全部台無し。
『もう!田代いっかいしね!』
「は!なんでだよ!」
『何でもだ!』
なんだか、あの人を見た瞬間ストンって
落ちたみたいに。
あたし……あの人にひとめぼれしちゃった……。

