『じゃぁ挨拶も終わったことだし早速練習始めるよ!』
『定位置について!』
『はい!!!』
吹奏楽部、全員の声が音楽室全体に響き渡った
『そうね、貴女は……あ、松江ヒカリっていう子の隣にある席に座って』
「わかりました!」
『じゃぁみんないい?まず最初に音出しをしてそれが終わったあと、コンクールの曲をやるよ!』
『このコンクールは一年生も全員参加だからしっかりとやるように!』
『一年生にはまだ楽譜を渡してないから隣にいる先輩から見せてもらってね?』
『はい!!』
吹奏楽部に入部した一年生は私を含めて15人。
まあまあ多いらしい。
『よろしくね?』
「よ、宜しくお願いします」
緊張するなぁ。
さっき、コウキ先輩から聞いたんだけど……この先輩ね
実はすごくトランペットが上手で
何回も何回もコンクールに出て、ソロパートをやってるんだって!
私もいつか、ヒカリ先輩みたいなコンクールにたくさん出てソロパートをほとんど任せてもらえるような人になりたい!
この先輩を目指してトランペットを三年間頑張ろう
そう思えたきっかけをくれたのもコウキ先輩。
そうやって教えてもらえたのもコウキ先輩。
初日からコウキ先輩と沢山、話してる気がする
大丈夫かな。
しっかりと練習をして
しっかりとした挨拶をして
そうすればまだ、大丈夫かな……
やっぱり考え事をしながら吹くのは良くないみたいで
『んーちょっと一年生はまだ微妙かな』
『もう一回だけやってみようか。』
「プゥ〜♪」
「ファ〜♪」
『うん、さっきよりは大丈夫そうね、次のコンクール練習にいきましょう!』
『これ。大変かもしれないけど…頑張ってね』
『多分、青春学園のソロパートを任されてたなら大丈夫だと思うけど……』
「ありがとうございます!頑張ります!」
青春学園のソロパート吹いてたからって
ここの学校のコンクールの曲が簡単なわけがない。
何事にもしっかりと気を引き締めてやらないとダメだ。
『まず、一年生もいるからサビの手前までにしましょうか』
サビの手前か……
『サビの手前か。そこまでは簡単だと思うけどサビが少し厳しいかもだけど頑張ろうね!』
「はい!ありがとうございます!」
ヒカリ先輩って優しいな。
きっとみんなから好かれる人なんだろうな
先輩からも後輩からも……

