一年生の頃は全然吹けなかったトランペット。
でも、この青春学園のソロだけは絶対にやりたくて
毎日、毎日、朝早く来て練習して
部活に行くのも誰よりも早く行って
部活終わったあとも下校時間ギリギリまで練習して
二年生になりようやく勝ち取ったソロパート。
本当に嬉しかった!
絶対に本番も成功させたいと
また、日々の練習に取り組んだ
だから、人一倍トランペット吹くのには自信がある
だから、この学園でも頑張ればできるんじゃないかと
思っている。。
まさかね?まさかあんなことになるなんて…
そんなことで私の夢が壊されるなんて…
知らなかった。。
「ふぅ。ありがとうございました!!」
『……貴女、あの有名な青春学園のソロパートを一昨年、去年と吹いた子ね?』
「はい、そうです!」
『そう。貴女をこの吹奏楽部に歓迎するわ』
『え、先輩。いいんすか!?』
『この子ならこの学校の吹奏楽部にもついてこれる。』
『それに、一昨年、青春学園のソロパートを吹いた子が選ばれた理由。知ってる?』
『いえ、知らないです』
『コウキみたいに努力家で毎朝早く来て遅くまで残って練習していたそうよ。』
『そうなんですか……』
『ねぇ、森山レイナさん!!その話は本当??』
「ほ、本当です!」
『そうなんだ。すごいね!』
「あ、ありがとうございます!!」
『コウキとはいい感じに打ち解けたみたいね』
「あ、コウキ先輩!トランペットありがとうございました!」
『いえいえ!困った時はお互い様だからな!』
そう言ってニカッと笑ったコウキ先輩
不意にその笑顔にドキッとしてしまった。
まだ会ってから数十分しか経ってないのに………
でも、入る前にテストがあるなんて
やっぱりここの吹奏楽部は違うんだな
『さ、今日から貴女もすぐに練習に入るわよ!』
「は、はい!あ、教室からトランペット取ってきます!」
『教室にあるならそう言ってもらえれば取りに行かせたのに……』
「な、なかなか言いずらくて……すみません」
取りに行ってよかったんだ笑
言えばよかったな
でも、コウキ先輩のトランペットを吹けて嬉しかったのは
自分だけの秘密。

