「んじゃ、まずは取り敢えず学級委員決めんぞー。決まったら話し合い進めてもらうからそのつもりで宜しく」
てことで、やりたいヤツー
担任が教卓にたち、教室内を見渡すが誰1人目を合わせようとしない。
(ま、当たり前ちゃあ当たり前だよなー……)
そりゃあそうだろう。同中とかの出身の子同士とかのことは別として、ほとんどがお互いがお互いのことをよく知らないのだ。
つまり、どんなクラスか分からない。
そんなクラスをまとめるような面倒事をわざわざ引き受けるか?
答えは否、だろう。
私だって出来れば避けたい、けれども
(15分もたって誰もあげないのは流石にねぇ……)
この後すぐに部活があるんだ。
早く帰りたいし、グズグズしているのを見るのは性にあわない。
ここは腹を括るとしようか
「んじゃ、私やっていいですか?」
手を上げると一気に注目を浴びて、クラスの中にどよめきが生まれる。
そっか。私一応有名人(笑)だったのを思い出した。
そんな中、じゃあ、と言って手を上げる奴がいてその声にビクッとなる。
ギギギ、と後ろを向くと
まさかのまさかだ
「俺もやるわ。早く帰りてぇよ」
因縁の相手、笠松清志が頬杖をつきながら手を挙げていた。