うわーい。ボルトもびっくりするほどの速さで幻想が崩れ去っていったよ!
グッバイ!平穏な高校生活!
そうそうにまともな高校生活を諦めた私は売られた喧嘩は買う、ということでキッとぶつかった相手を睨みつける。
「ぶつかったのはスミマセンでした。
……けど、どういう意味だこら」
まずは素直に謝っといた。
そう、問題はその後の言動。
ちっちゃ過ぎてってどういうことだよ
確かに見上げたその男子は、恐らく175センチはあるだろうという高身長だ。
しかし、しかしだ。
初対面の人間にそれはないだろう
一応「わりぃ」とは言ってるよ?言ってるけども謝る気ゼロだろお前。
喧嘩売ってんだよな、そうだよな。
ならばよろしい。買ってやろうじゃないか。
そんな感じで睨みつけると、ムッとしたのか言い返してくる高身長くん。
「わりいって言ってんだろ。じゃあすみませんでした?」
「いやぶつかった事は別にもういいよ。
ただ初対面の相手にいきなりチビはなくない?謝る気ないよね?」
「だって、ちっちゃぇし」
なんだよこいつ。マジでわかんないんだけども。
怒りを通り越して呆れてきて思わず溜息をつく。
「……あんた、大丈夫?友達いんの?そんなんで。ま、私が心配することでもないか」
それだけ言って背を向けて歩いていった。周りがざわざわと煩かった気もするが気にしなかった。