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翌日、朝練を終えた私は教室へと向かうべく下駄箱に向かっていた。


うちの学校の体育館から下駄箱に行くまでには運動場を横切らな蹴らばならない。てなわけで同学年の女バスの子達と共に運動場を歩いている。そこで嫌でも目に入ってくるのが外でやっている部活だ


テニス部にサッカー部、野球部に陸上部、ハンド部、ラグビー部……改めて見るとうちの部活って結構たくさんあるよねーなんて思う。まぁ外だけでもこんだけあるしね。多いほうなのではないかと思うのだ。

ぼんやりそれらを眺めながら、歩いていると野球部の練習スペースに差し掛かったあたりで隣を歩いていた同級生たちがザワザワし始めた。


「あっ!笠松くんだー」
「キャーかっこいい!」
「1年生なのに、もう練習バリバリやってるよー?」
「さすがだねー!!ピッチャーなんだー!」


……聞き間違いではないはずだ。うちの学年に笠松という人間は一人しかいない。ということは、皆がかっこいいと言っているその相手は


「ねぇ、さっきから皆が騒いでるのってうちのクラスの笠松幸男のこと?」

「今更なにいってんの。あの人超有名じゃん!!」


うん、そんなの知らなかったよ。
少なくとも私の中では全然有名じゃなかったよてか、あんな性格悪いやつのどこをどう見たらかっこいいと思うわけですか


そう言い返してやりたかったが、私を見るチームメイトの目がとても怖かったために大人しく黙っておいた。