宛名のないラブレターをキミに

「ちょっと…寝不足で、」


「あー、寝不足か。
俺もたまにある。そのときの授業なんてやばいよね。」


「…王子も寝不足になることあるんですね。」


皮肉のように聞こえてしまっただろうか。

つい、と言ったように口から零れ落ちた言葉を王子の耳は拾っていたようだ。



笑顔で話していた時とは一変。
すっ、と真顔に、でもどこか困ったような顔になった。