宛名のないラブレターをキミに

「、っ」

「ふっ…

もっと赤くなった。」


触れられている部分が熱い。

熱いのに、王子の手の温度が伝わってきて心地良いと思う。


「もう大丈夫?」



するりと私の頬から心地良い熱が離れていくのを感じた。
少し、少しだけ、残念だ。

「え、あっはい!元気です!」

「会うのは2回目か。

丈夫だから大丈夫!…じゃなかったの?」



その王子の言葉で図書室での一件を思い出す。

顔が…熱い。沸騰しそうだ。