宛名のないラブレターをキミに


「これで最後です」



最後の1冊を王子が持っているたくさんの本の1番上にゆっくりと置く。




「本当にすいませんでした。」



「俺も前が見えてなかったから、お互い様ってことで。

こんなに沢山の本を持たせた先生のせいってことにしとこうか。」


なんて、無邪気に笑う彼につられて私も自然と笑顔になる。