宛名のないラブレターをキミに

壁…

じゃないよね。柔らかかったし。
あ、って言ってたし。


私も結構早く来たのに、この人来るの早いな…誰だろ。





なんて思いながら、1番のりでなかったことを少し残念に感じる余裕がある私が、ゆっくりと顔を上げた先には…




「だいじょうぶ?」




少し困り顔で心配したような顔の――





「完璧、王子」