宛名のないラブレターをキミに

そんな私の背中にクラスメイトからは生温かい視線を送られ、友人3人が「まさに花より団子…?」「王子より読書、って感じだね」

などと言っていたことなど知る由もなかった。

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「じゃあ、いってくる!」



満面の笑みでそう言って教室を出る陽菜の足取りはいつもよりいくつか軽い気がする。

花の飛ぶような笑顔で出て行く陽菜。



それが彼女がどれほど本が好きなのか表しているのであった。