どうかこの声あなたに届けて


私のクラスからいっくんのクラスまでは
ちょっと離れていて、4クラス挟んでの場所に
ある。


私は慌てて2人の後を追い、教室を出てみると
なんと、教室前の廊下にはいっくんが!


いっくんは目を見開いて教室から飛び出てきた
私を見ているが、それよりも


そんないっくんにすごい顔をして睨みつけている2人が怖い……。


そして、


「こんなに可愛い絵麻を振るってどういう神経してんのかな南くん?」


「ウチらの可愛い絵麻ちゃんををふったってどーいう事か、今ここで理由を言ってくれません?」


おのおのがいっくんに好き勝手ギャーギャー騒いでいる。


のにいっくんは口を開くことはなく、ずっと私を見ていてそして、「絵麻、ちょっと話したいことがあるんだけど。」と言った。、


私はその言葉にビクッとしてしまい、2人はそんな私の反応に気づいたのか


「「当の本人は聞きたくないみたいだけど?」」


「ちがっ……。」
ちがう!!
私はそう言いたかったのだけど、思うように口
が動かない。


それを見つめていたいっくんは悲しそうに目を伏せ、そして
「絵麻、今日の放課後一緒に帰ろう。
一緒に帰りたくないなら来なくてもいいから
校門前で待ってる……。」

その言葉だけを残して立ち去ってしまった。