どうかこの声あなたに届けて


他の人と比べるとちょっとだけ
色素の薄い髪の毛


茶色くて、綺麗な大きな目


私がとても愛している人…………






いっくんだった……。




私はとっさに俯いて
小走りで通り過ぎようとしたら、いっくんが
「絵麻」と言い、私の手首を掴んできた。


……だけど私はやっぱり弱虫で、
自分が傷つくのが怖くて、
これから言われる言葉を聞くのが怖くなって
無意識にいっくんの手を振り払って
私はまた、いっくんに背を向けて走り去って
しまった……。