どうかこの声あなたに届けて


「ママ、おはよう!!」


できるだけ明るくあいさつした私に「おはよ」
と言い、ふり向いたママが急に「ぶっ!!」と
吹き出し、笑ってきた。


そして、


「絵麻の顔が……ぷっ、、、あはははは」

…………

………


「ははははは………」


私の顔を見ていつまでも笑い続けている。


「もぅ、ママ!!
いつまでも人の顔みて笑わないでよ!」


頬を膨らませて『むぅ』としていると、
ママの笑いが急に止まった。


そして、ママが急に真剣な表情で、


「絵麻……非常に言いにくいんだけど……
もう学校に行く時間じゃなかったっけ?」


と言った。


ん?と思って時計を見ると、


いつも家を出る時間よりはるかに
遅い時間がその時計にしるされていた……。