弓弦君が寝静まった頃、
「絵麻、話ってなぁに?」
私はママをリビングに呼んだ。
理由は……
「ママ、私……
手術も延命治療も受けたくない……」
これからの私の生き方をママに受け止めて欲しいから……。
ママは目を見開き、驚いているようだった
だってこれは自殺行為
ママはきっと止めるに決まってる
気まずさでママから顔をそらそうとした瞬間
“ポタッ”
ママの瞳から涙が零れた
そして
「何言ってるの……絵麻……?
手術や治療を受け無かったら、絵麻、3ヶ月後
にはこの世からいなくなってしまう……
死んでしまうのよ?
絵麻お願いだからそんな事言わないで……
ねぇ、 絵麻おねがい……生きて……。
ちょっとでもその命が伸びるのなら……
ママは、絵麻にできるだけ長く生きてほしい
だから……」
“おねがい、生きて”
何度も、涙を流しながらそう言うママを見ると自分の決心が鈍ってしまいそうになる。
だけど……
「ママ、私もね、本当は長く生きたいよ。」
「なら、……
「でもね!!それ以上に、わたしは
みんなと同じように生きたい……
みんなみたいに学校に通いたい!
喋ったり、動き回ったり、笑ったり……
確かに、これからの私に出来る事なんて限られたことしかないと思う。
今まで出来ていたことが出来なくなったり、辛い思いをするかもしれない。
分かってる……
だけど、それでも私は体が動かなくなるその時までは、普通の子でありたいの……。」
いつの間にか私の目からも涙がこぼれ落ちていた……。
それでも私は言葉を繋ぐ……
まだ、話したいことはいっぱいあるから……
