ここには、天界と魔界が融合された世界『イグニース』が存在している。


かつて天界と魔界はそれぞれ孤立した世界だったが、双方には昔から言い伝えられている伝説がある...




''青蓮が咲いた時、その紋章を持つ者の力が目覚める。そしてその者によってどちらかの世界が滅びるだろう...''

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「''…によってどちらかの世界が滅びるだろう''...か…」



伝説の一節が書かれてる本をパタンと閉じ、ふぅ…とため息をついた。


(どちらかの世界というのは、天界と魔界…だということなのか...?)


物思いにふけっていると、あっという間に時間は過ぎ…


『ザザ…後5分で図書館は閉館となります…残ってる方は速やかに退場願います…ザザッ…』

「おーい!もう時間だぞー帰るぜ!」


アナウンスと共に、向こうから呼ばれる声が聞こえた。


「もう…分かったよ、今行く!」


顎まであるボブの髪を揺らしながら振り向く。

猫っ毛で天然パーマがかかっているが、絹を連想させるような艶やかな銀色の髪だ。

本をまとめ何冊か棚に戻すと、声のした方へ走って行った。




「待たせたな。」