「俺の名はアベルだ。ここは俺の館ね。」


(アベル...だと!?)

名前に驚いてしまう。

「...お前には兄弟とかいるのか?」

「いや、いないよ。」

即答だった。

「あ、いた...かも?」

アベルは俺をジッと見つめるとそう言っては笑う。

「質問する前に君の名前を教えてよ、ね?」

(調子が狂うなこいつ...)

思わずため息をついてしまう。

「...俺はデュークだ。そして見てわかると思うが悪魔だ。」

悪魔の単語に彼は反応した。

「悪魔、ねぇ...」

「なんだよ。」

「デューク、そんなに敵意をむき出しにしないでよー。俺悲しいな。」

困り顔をされる。

「知らねぇよ、目が覚めると知らない所にいて、知らない人に声をかけられるんだからな!?」

噛み付くように言う。

「まあいいや、そりゃそうだもんねぇ。」

アベルはいたずらっぽく笑う。