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「おい、君。」

呼ばれてることに気付き、ハッとする。

「何故嫌いなんだ?」

「...。」

俯いたままの俺の顔を彼に覗き込まれる。

「なぁ?なんで?」

彼の肩を押しのける。

「うるさいな、てめぇと関係ねぇだろ…」


(まずい…このままじゃ飲まれる)

彼はなんだか不思議な人だ。

心の奥に入り込んできそうな...そんな変な感覚に陥ってしまう。


(誰にも自分の弱みを、弱点を悟られてはいけない。)

「それより、お前は誰だよ?ここはどこだ?」

彼を睨みながら聞く。

「ああ、俺か?」

少し考え込むと、微笑んだ。