「え...?」

目の前には血まみれで倒れている母さんがいた。

「な、なんで...」




数時間前

「デューク!今から出掛けるから留守番お願いね!」


玄関で母が身支度をしていた。

でもデュークはあまりいい気分ではなかった。


「分かったけどさ...大丈夫なの?」

「え?何が大丈夫なの?」

「えっと…その...」

口ごもってしまう。

「最近、帰ってきた時の母さんの様子がおかしいんだ...」

それを聞いた母さんは驚く。
「まさか!疲れているのよ。」

そう言っては笑う。

「大丈夫よ、デューク。
じゃいってくるね。」

顔に笑みを浮かべながら出ていった。


 
…そう、最近母さんの様子がおかしいのだ。

疲れているように見えるが、時々怪我している姿で帰ってくることもあるのだ。

外で誰かに暴力をふるまわれてるのではないか、と心配をしている。



「...。本当に大丈夫かなぁ」

いつものように心配をしながら留守番をしていた。

まさか、あの時が出かける母さんを見るのが最後になるとは思わなかった...





「あぁぁ!!」

何時間たったのだろうか、いきなり悲鳴が聞こえ、うたた寝していた俺は飛び起きた。

(なんだ!?)

警戒するが、何も聞こえない。

すると、脳内に声が響いた。




「デューク...助けてッ…」



(なにこれ…それよりも自分の名前が呼ばれた…?)

胸騒ぎがした。


まさか、まさか…そんな...

なんの躊躇いもなく外へ飛び出た。
 
すると目に飛び込んできたものは…




「え...?」