「はぁ…っ、はぁ……っ!」


薄暗い森の中を走る一人の青年。


「どこだ!見つけ出せ、連れ戻すのだ!」


どこかからか何人かの声が聞こえる。

漆黒のマントで身を覆い、息を切らしながらも止まることなく走り続ける。





「急がなきゃ…咲いてしまったら、
何もかもが終わってしまう。」


そう呟いた青年の鎖骨には、

ほんのりと青白く光る蓮の紋章があった。