「話、聞かせてくれるよね?」


頷く代わりに私の手を振り払ってその場に座り込んだ。


私もその隣にしゃがんで質問した。



「どうして殴ったの?一人でやったの?親はしってるの??」


まだまだ聞きたいことはたくさんあるけれど、今はこれくらいにしておいた。


「……殴らないと殴られるから。
さっきの奴らは自分からぶつかってきたくせに俺のせいにしていきなり殴りかかってきた。だから誰もいなかったし自分を守るために俺がひとりでやるしかなかった。


…………親に家を追い出されてから連絡とってねぇから知らねぇ。」



「ふーん。
いつ?なんで追い出されたの?」



「3日前の夕方…学校にずっと行ってなかったのがばれた。」



「ふーん、なるほどね。あんたの名前は?」



「遥山 蓮。」


「じゃあ蓮、とっとと家に帰りな。帰りづらいなら一緒についていってやるから。家に帰って親に心配かけたこと、学校をサボったことを謝りな。そしたらきっと許してくれる。」


少しの沈黙のあと、蓮は渋々頷いた。